パリで活躍する素敵な方々にインタビューし、それぞれの「モンパリ」をお聞きします。



セ・サンパ
感じいい!親切!ちょっと贅沢!「セ・サンパ」とパリジャンは表現します。そんなサンパなパリを、ほぼ毎週更新でご紹介しています。
全てが絵になるパリの景色の中で 
2005.04
 ■ Interview つづき
3、 「芸術の街」パリでアートの勉強〜仕事をするメリットは具体的にどんなところですか?おすすめのスポットなどがあればお教え下さい。

朋子さんの1日
8時 起床
朝食を取りすぐに仕事にかかる
仕事
(昼食)
15時 休憩 
スポーツジムに行って汗を流す
帰ってから仕事
(夕食)
24時 就寝
*週に2,3回は外で打ち合わせなどがあり外出する。
  美術を勉強する上で、パリに暮らせるというのはとても幸運なことだと思います。被写体は道の片隅や町のそこら中に転がっていますし、美術館は多く、アートの学生には学割制度が非常にしっかりしています。
 私のお気に入りは、ピカソ美術館。ロダン美術館はお天気のよいときにお庭詮索。ルーブルの彫刻の部屋は開放的で気分転換に最高です。ルーブルは室内の建築の美しさ、オルセーは外側を見るのが好きです。ルーブルは夜にピラミッドからプラスキャレに抜け、ポンデザールからポンヌフとエッフェル塔を見るというのがお気に入りコースで、エッフェル塔がちょうど光っていたら最高ですね。
 それから、広告美術館も面白いと思います。
 全てのアートの基本は一緒だと思います。何にでも興味を持って見に行くことが一番大事なことなのでは?
 パリではしょっちゅう小さな展覧会をやっていますから、キオスクでパリオフィシエルなどの雑誌を買って、チェックするようにしています。
6区のサンジェルマン大通りにある行きつけの本屋ラユンヌ(La hune)はアート系の本が豊富。二階の全てがアート専門の本で、夜中の12時までやっています。6区のオデオンの近くにある写真集専門店もお薦めです。

4、 それでは最後に仕事を離れて、普段はお友達とどんな風にパリを楽しんでいますか?朋子さんにとってパリはどんな場所ですか?

 学校が私にもたらしてくれたのは、デイプロムと友人です。学校が厳しかった分、友達と分かち合ったものは多く、5年という歳月は友達との深い関係を築くのに充分でした。一番気の合った友人達とは、一緒にイラストレーションのアソシエーションを作り活動しています。一ヶ月に1度はそれぞれの家に集まり、食べ物、飲み物を持ち寄って近況報告や、お互いの作品の批評をしています。
 パリですから日本人の友達も多いです。翻訳業、料理人、学生が主で、皆で集まってはオペラにラーメンを食べにいったり、誰かの家でカレーライスなどを食べています。
 特に夏はセーヌ川沿い、シテ島の先や、ポンヌフの横の公園、ボンデザールなどでピクニックをするのが好きです。日没が遅いので時間を忘れて楽しめますし、パリの景色を堪能するにはパリの景色の中で楽しむのが一番では。
ぺニンゲン時代の課題作品

『トケビとオニ』という絵本。韓国の友人との合作で、日本のオニと韓国のトケビ(鬼とよく似た存在)の子供が出会い仲良くなるが、親の反対に合いながら、それでも仲良くしようとするお話。現在の日韓関係を踏まえた深いストーリーがかわいい絵で表現されている。


朋子さんの作品には日本のモチーフも沢山登場する。
「作品のアイデアは先生と話しながら練っていくことが多く、日本の伝統的なモチーフは先生も喜ぶので使います。もちろん、それ以上に作品としてできが良くなければいけませんが。」


卒業作品 テーマ「エコロジー」
朋子さん独特の作風。暗い色使いでも優しいイメージを与え、身近なモチーフで鋭いメッセージを伝える。
 落ち着いて、一つ一つ言葉を選んで話をする朋子さん。育ちの良さからか、相手に配慮を忘れない古風な日本女性らしい印象さえ受けました。いったいどうやって我の強そうなパリのアーチィスト達と競い合って勉強して来たんだろう?と。
また、その粘り強さと配慮が良い作品作りに生かされているのかもしれません。
 ぜひ、その優しく強い表現力で、日本の昔話(スピリット)を絵本としてフランスに、そして世界に広めてください。
インタビューのはじめへ

【net@nihon.sa】
Copyright (c)2002 NET@NIHON.All Rights Reserved
info@mon-paris.info